無断欠勤者への対応
- 代表 風口 豊伸
- 2024年4月21日
- 読了時間: 1分
ご連絡いただいた人事担当者の方は、本当に困惑してました。色々調べても原因が分からないと言ってました。最近は退職代行会社が多くなってますがそういった会社からも連絡がなく、どうしていいか分からない!?と悩んでおられました。
概要
入社して1年以上たっている
上司や同僚に確認してもトラブルはなかった
電話やメールなどにも反応がなかった
自宅に訪問しても誰も出てこなかった
無断欠勤して2週間以上経過している
相談内容
先々週から欠勤している人がいて、連絡がつかないので何度か自宅に行き、呼び鈴を押しても誰も出てきませんでした。
入社してから1年以上たっているので、普通に業務を熟していたはずですし、直属の上司に確認しても誰ともトラブルにはなっていないし同僚に確認しても別にトラブルもなかったと言っていました。
何故!?無断欠勤をしているのかが分かりません。
この場合は、どう対応すればよいでしょうか?
皆様の会社で、このようなことが起きていなければよろしいのですが、色々な人がいるので絶対に起きないという事は言えないと思います。現在起きていなくても、今後起きたときの対策方法として参考にしておくとよいと思います。
回答
先ずは無断欠勤をしているので、出勤してもらうように促しましょう。電話、メール、手紙、訪問などの記録を作って置いていください。そのすべての結果も同じように記録をしておいてください。後々役に立ちます。雇用契約はお互いの契約ですから、契約を守ってもらうように促す必要があります。そのうえで会社側の調査を進めて、本当に何もなかったのかの事実確認をしておく方が良いと思います。
何もなければよいのですが、後々事実が発覚したときに会社側が不利益になる可能性があります。
例えば...
御社の場合、会社の就業規則に無断欠勤者の退職に関する規定が盛り込まれていないので、「自然退職」とすることが出来ません。
労働基準法第20条1項の「労働者の責めに帰すべき事由」で2週間以上の正当な理由なき無断欠勤という項目に当てはめて、即時解雇にしなくてはならなくなります。
この即時解雇通知を出した後になって、本人から「●●にパワハラを受けた。●●にはずっとメールで謝らなければ出勤しないと伝えている。これは不当解雇だ!!」などと言われた場合には、正当な理由があり、無断ではない欠勤となります。つまりは不当解雇という主張が正当になります。
まあ、もちろん欠勤する場合には会社が決めたルールに従って、上長などに連絡を入れていないことは問題ですが...
本当に何もなく、緊急連絡先などの聴き取りが出来ているのであればそこに連絡してください。何かしらのアクションがされている場合があります。
それでも何もないのであれば、即時解雇も止む無しではないでしょうか。
解雇となる場合には、様々な事前準備をしておかないと不当解雇という形で訴えられるケースが多々起こっています。事前にできることを行ったうえでしっかりと報告書などにまとめて置き、記録を残してください。また、その調査の際にはなるべく複数人で行うようにしてください。客観的事実が増えるほど会社の主張が認められやすくなります。
日本では、労働者をなるべく解雇しないようになっています。本来、同等の立場での契約ですから労働の契約を無断で履行していないのですから、契約不履行で契約解除が当たり前だと思います。しかし、そうできないのが労働基準法となっています。ですから会社もしっかりと対策を練っておかないと倫理的に正しいと思う事があっても違法となってしまいます。
しっかりと対策を取りましょう。
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