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執筆者の写真代表 風口 豊伸

テレワーク規程の作り方!労使合意のポイント

 テレワークの導入・運用において、労働者代表と経営者の合意形成は極めて重要です。在宅勤務の増加に伴い、労働時間管理や業務評価など、新たな課題が浮上しています。本記事では、テレワーク規程の策定から運用まで、労使双方が納得できる制度設計のポイントを解説します。


目次

  1. テレワーク導入の現状と課題

  1-1. 労使それぞれの立場と懸念

  1-2. 法的要件と労使協定

  1. 労働時間管理の新しいルール

  2-1. 適切な労働時間の把握方法

  2-2. 時間外労働への対応

  1. 業務評価と成果管理

  3-1. 公平な評価制度の設計

  3-2. コミュニケーション方法の確立

  1. 労働環境の整備と費用負担

  4-1. 在宅勤務の環境整備

  4-2. 費用分担のルール化

  1. 円滑な制度運用のために

  5-1. 社内相談体制の構築

  5-2. 定期的な制度見直し


 
  1. テレワーク導入の現状と課題

  1-1. 労使それぞれの立場と懸念

   テレワークの導入において、経営側は生産性の維持や情報セキュリティに関する懸   念を抱えています。一方、労働者側は労働時間管理や評価の公平性、通信費等の負担   について不安を感じています。これらの課題に対して、労使双方が納得できる制度設   計が求められています。


  1-2. 法的要件と労使協定

   労働基準法に基づく労使協定の締結は、テレワーク制度を適切に運用するための基   礎となります。特に、労働時間管理や時間外労働、深夜労働に関する取り決めは、労   使双方の合意のもと、明確に規定する必要があります。


  1. 労働時間管理の新しいルール

  2-1. 適切な労働時間の把握方法

   テレワークにおける労働時間の適切な把握は、使用者の法的義務です。PCログの   記録やウェブタイムカードの活用など、客観的な方法での労働時間管理が重要です。   始業・終業時刻の報告方法や休憩時間の確保についても、具体的なルールを定める必   要があります。


  2-2. 時間外労働への対応

   テレワークにおける時間外労働の申請・承認プロセスを明確化し、労働者の健康管   理と適正な労働時間管理を両立させることが重要です。


  1. 業務評価と成果管理

  3-1. 公平な評価制度の設計

   テレワーク下での業務評価は、成果物や目標達成度など、客観的な指標に基づいて   行う必要があります。対面業務とテレワークの違いを考慮しつつ、公平性を確保した   評価基準の設計が求められます。


  3-2. コミュニケーション方法の確立

   定期的なオンラインミーティングや報告制度の確立により、業務の進捗状況を適切   に把握し、必要なフィードバックを提供する体制を整えることが重要です。


  1. 労働環境の整備と費用負担

  4-1. 在宅勤務の環境整備

   労働安全衛生法の観点から、適切な作業環境の確保は重要な課題です。デスクや椅   子などの備品や、通信環境の整備について、具体的な基準を設ける必要があります。


  4-2. 費用分担のルール化

   通信費、光熱費、備品購入費など、テレワークに伴う諸経費の負担について、明確   なルールを設定することが重要です。経費の申請方法や精算手続きについても、具体   的な規定が必要です。


  1. 円滑な制度運用のために

  5-1. 社内相談体制の構築

   テレワークに関する労使間の相談窓口を設置し、課題や問題点を早期に発見・解決   できる体制を整えることが重要です。社会保険労務士などの専門家と連携した相談体   制の構築も効果的です。


  5-2. 定期的な制度見直し

   テレワーク制度の運用状況を定期的に検証し、必要に応じて規程の見直しを行うこ   とが重要です。労使双方の意見を踏まえた制度の改善により、より効果的なテレワー   ク運用が可能となります。


まとめ

 テレワーク制度の成功は、労使間の信頼関係と明確なルール作りにかかっています。本記事で紹介した各ポイントを参考に、自社の実情に合った制度設計を進めていただければと思います。また、制度設計や運用に不安がある場合は、社会保険労務士への相談をお勧めします。専門家の知見を活用することで、より円滑なテレワーク制度の導入・運用が可能となります。


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