ある会社の総務担当者からのお問合せです。
お手続き上、必要情報が揃えられないのでどうすれば!?
といった内容です。
概要
正社員の被扶養者(奥様)のお手続き
数日前に離婚をしている
奥様と連絡が取れない状況(かなり険悪な状態)
手続きは会社の総務課が行っている
一般的なお手続きは協会けんぽや年金機構のHPに記載されていますから、問題なくお手続きをされている会社様でしたが、今回の様なイレギュラーな話を受けて非常にお困りでした。
相談内容
先日、離婚した従業員からの内容で、奥様を扶養家族から外す手続きをお願いされたのですが、離婚した日 ・保険証の返却 ・元奥様の新しい住所 が必要だと伝えたところ、「 元妻とは連絡も取れず新しい住所もわかりませんし、保険証も返してもらっていない」とのことでした。この状態で手続きをしても大丈夫ですか?
1点だけ間違った解釈をされているようでしたが、そのほかの部分に関しては正しい情報を従業員の方に伝えていたようです。その間違った解釈を含めて回答をご覧ください。
回答
社会保険の被扶養者として奥様が加入されていたという事で、離婚をされて被扶養者から外れる手続きという認識での回答となります。
被扶養者(異動)届の提出が必要となります。
そこに記載しなければいけない被扶養者の情報としては
・氏名
・生年月日
・マイナンバー
・住所
・生年月日
・資格喪失日(離婚した日)
となります。
しかし、離婚するまでの時点で同住所(住民票上)であったならば、新たな住所を確認する必要はありません。
資格喪失日現在の住所として異動届は提出できます。
また、保険証を預かっていないのであれば「被保険者証回収不能届」を異動届と併せて提出すれば問題なく受理されます。
奥様と連絡を取られていない状況で不要な心的負担をする必要はありません。
離婚日と保険証が回収できないのであればその旨、また、住所は離婚日に住民票に記載されている住所で手続き可能です。
意外と知らないことではありますが、「提出日現在」と「事実があった日現在」とを分けて考えなければいけない書類があります。書類上どの時点(日付)での「情報」が必要かを確認して、必要情報を取得する必要があります。
今回は離婚した時点での情報(住所)が必要でしたので、その前から別居(住民票も異動済み)であれば、その異動した住所の記載が必要でありますがそうでない場合には現住所でそのままお手続きは可能です。
また、保険証は回収できないのであれば「被保険者証回収不能届」を提出することで届は完了します。「従業員が保険証を返さない!!」なんてことは良く聞く話ですが、保険証が回収できないままでお手続きが出来ないと、”いつまでも社会保険料が掛かり続ける”なんてことになりかねませんので、行政も逃げ道をしっかりと作っているという事です。
皆様も同じようなことで悩まれているならば、上記を参考にお手続きを進めてください。
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